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2019/02/23

初心者コラム#12「初めての舞台」

ボンボヤージュのこーすけです。

今回が初舞台の劇団員・藤沢こーすけによる、初心者からみた演劇づくりの気づきを連載する「初心者コラム」第12回のテーマは、「初めての舞台」です。
今回、2019年の2月9〜11日にかけて、私は初めて舞台の上で演技をしました。総勢260名くらいでしょうか、本当にたくさんの方に観ていただきました。お客さまあってのお芝居です。本当に嬉しく思います。この場をお借りしてお礼を言いたいと思います。ありがとうございました。

初舞台の感想

さて、初舞台の感想ですが
私は普段から特に緊張するようなタイプでもないので、今回もそんなにアガらないのかな?と思っていたわけなのですが

正直、めちゃくちゃ緊張しました。

開始前に、舞台裏、袖のところに待機している時。
え?お客さんいるんだけど。全然、稽古と違うじゃん。
まず、ここでかなり焦りました。ゲネプロまでは、たとえ観てる人がいたとしても二、三人であったり、そんな緊張するほどでもなかったのですが
40人以上の観客が観ている前で演技するというのは、想像をはるかに超えた緊張がありました。

そう、何もかもが稽古とは違いました。


お客さんの反応

まず、お客さんがいて、演技一つ一つに対して反応があります。同じ座組のメンバーには、お客さんの反応をみながら演技プランの修正を行う役者の方もいました。
そして、何より驚いたのはこちらがウケると思っていたものは全然ウケなかったり、逆に「なんでこれが?」というのがウケたりしたことです。また、回によって当然お客さんは全く異なるので、回によってウケるところや盛り上がりどころも変わりました。

これまでの私のイメージは、「脚本が作った物語を役者が忠実に再現する。演出家はそのより効果的な見せ方を考える」みたいなイメージだったのですが、稽古や本番を経て考えは変わりました。
舞台は、役者さん、音響照明などのスタッフ、会場の方、さらにはお客さん、全ての人が関わってつくられるものだと思いました。音が違えば、光が違えば、役者の動きや見え方も変わり、物語の伝わり方も変わります。また、お客さんの反応によって役者が活き活きとしたり、より感情が引き出されることもあるでしょう。そういった意味で、非常に演劇は"ナマモノ"だなと思いました。きっと一つとして同じ舞台はないのでしょう。一期一会です。

だからこそ余計に、緊張します。どんなに失敗をしたって、取り返しなんてつきません。お客さんに「もう一回観てくれ」なんて言えるわけもないですから。その回に観に来た人にとっては、その回こそがその劇の全てなのです。その意味での緊張感はとても強く感じました。

しかし、反面面白さもありました。お客さんの反応から、「こうしたらどうか?」などのアイデアが生まれたりもして、短い本番期間ながら色々なことを試しました。手ごたえやアンケートなどで良い反応を得られた時は、とても嬉しく思いました。

役者の面白さ

これは稽古の時にある方から教わったことなのですが、役作りの中で「その役のプロフィール、年表を作ってみるのが良い」と言われたことがあります。稽古の時は「役作りとして必要なんだなぁ」と思ってやっていたことでしたが、この重要さを本番を経て強く思い知ることになりました。

「本編のキャラクターのその後について、アンケートで人気が出たものはWebで公開しよう」
主宰のじゃるさんが言っていたことです。この劇後のスピンオフ企画は、アンケートでもなかなか好評でした。それをみて思ったのが、お客さんの中では、そのキャラクターは劇が終わってからも生き続けるということです。共感できるキャラクターであったり、その後が気になるキャラクターであったり。劇中だけで完結するものではなくて、劇が始まる前も生きていたし、終わった後も生きているキャラクターなのです。
そういう意味で役者は、その役を演じる中で、そのキャラクターとしてのストーリーを伝えなくてはなりません。
こういう言動をするのは、過去にどんなことがあったから?これからこの人はどうしようと思うだろうか?それはどうして?何を感じ、どう思ったから?
キャラクターとしての軸、一貫性を持ちつつ、キャラクターそのものをお客さんに伝えることは、いわば創作そのものでした。

私はこれまで役者は脚本家や演出家の世界をお客さんに伝える役目だと思っていたのですが、それだけではないのだと思いました。
役者自身が、その役としての物語を創作するのです。
これは私にとって、とても大きな気づきでした。これまでは脚本をやってみたいと思っていましたが、今では正直それよりも、役者の面白さが上回っている気がしています。

役者としての自分の強み

自分がアンケートなどで褒められたのは、「自然な演技に見えた」というものです。
正直、私はまだ全然初心者で、周りのベテラン役者さんと比べたら勝負にもならないという状態です。だからこそ、少しでも自分の強みを見つけられたのはとても良かったです。自然な感情に乗せて、演技をお客さんに届けるということはこれからも意識して頑張っていきたいです。

逆に伸びしろということでは、やはり滑舌や声量などは課題も感じました。
また、歌についても今回は歌う機会がありましたが、こちらもまだまだ上達の余地があります。地道に楽しく練習していければと思います。

おわりに

さて、今回で私の初公演であった「世界で一番可哀想な境遇の人々」に沿った初心者コラムは終了となります。
次回は、私藤沢こーすけがまた公演に出ることになった際に、またこの初心者コラムの更新をするかもしれません。

それでは皆さま、長らくお付き合いいただきありがとうございました。
また、お会いしましょう。
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2019/02/08

初心者コラム#11「演じること」

ボンボヤージュのこーすけです。
今回が初舞台の劇団員・藤沢こーすけによる、初心者からみた演劇づくりの気づきを連載する「初心者コラム」第11回のテーマは、「演じること」です。

ついに明日は仕込み日です。仕込み日が終われば初日なわけで、おそらく公演前の最後のコラム更新となります。今回は「演じること」とは一体何なのかということについて自分の考えを述べたいと思います。

演じることとは何なのか

僕たちはなぜ演劇をやるのでしょうか?
伝えたいメッセージがあるから。
お客さんを楽しませたいから。
自分が楽しみたいから。

演劇をやるモチベーションは人それぞれでしょう。
しかし、演劇をやるからには演じなければなりません。
じるとは一体どういうことなのでしょうか。


演劇は積み重ねである

今の自分が持っている答えは、「演劇は積み重ねである」というものです。
台本を読み、セリフを覚え、はっきりと滑舌よく話せるようになり、お客さんにきちんと届く大きさの声で話せるようになり。しかしこれだけでは全然足りません。わざとらしいかもしれないし、妙に演劇っぽくて話が入ってこないかもしれません。

演劇では常にリアルとフィクションの狭間で思い悩むことになります。
ボソボソと、誰かには聞こえても他の誰かには聞こえないような音量で話すのが"リアル"かもしれません。けれども舞台上でそれでは、お客さんに届かないわけです。しかし、これを遠くまで届くような声で言うとおかしくなるような気もする。君は囁く時に遠くの人にも届くように言葉を発するのか?ということになります。

お客さんにいかに届けるかというのは能力であり技術です。ここに思いは介在しません。発声練習をするのも滑舌や早口の練習をするのも、表情筋を鍛えるのもダンスや歌の練習をするのも、これらは全て役者としての演技技術を向上するためのものです。

いわば、体力や演技技術という基盤の上に、思いや感情、役者としてのリアルを乗せるわけです。
技術だけ、小手先だけの演技ではつまらない。
思いだけ、気持ちだけの演技では伝わらない。

伝えたいことを伝えられるように、技術を磨く。
伝えたいことを明確にするために、台本を読み、役を作る。

一般に演劇というのは物語構成となっています。
役を演じるというのは、物語の中の一つの役割を担うということです。

それぞれの役がそれぞれの役割を果たすことで、物語全体として完成させることができます。
役者一人一人が、自分の役に責任を持って演じ切ることで、物語をお客さんに届けることができます。

私は今回が初めての役者で、正直どうなるかなんてわかりません。本番でトチるかもしれないし、練習の時の方がうまくできるかもしれない。
でも、そんな不安よりももっと、このメンバーで一つの物語を創ることがとても楽しみなんです。
今回、役者は16人います。多いと思うかもしれません。
ですが、一人一人がきちんと役を演じます。役には役者一人一人の思いが込められています。

観に来ていただけるみなさまに届ける物語、きっと面白くします。いや、面白いです。必ず。絶対。約束します。

たくさんのご予約をいただいていますが、期待には必ず応えます。キャンセル待ちも承っております。

楽しみにしていてください。
2019/02/02

役者紹介#6 栗林まんぞう(劇団どろんこプロレス)

⚓︎役者紹介#6
栗林まんぞう(劇団どろんこプロレス)

かわいいかわいいじゃるのペット。

浅田さんと同じく劇団どろんこプロレス所属のまんぞうさんは、人間離れしたモンスター級の存在感を醸し出すスーパー俳優です。
長い年月の間、基礎なんて知らないままその持ち前の存在感と強靭な声帯と何かしらの魔力で、演劇のストリートファイターとしていくつもの戦地を闘い抜いてきた、演劇と運命を共にする男なのです。

ボンボヤージュの出航公演では、一瞬だけど強大なインパクトを残した劇団しもべ妖精と、まさに可哀想な境遇の人の先駆けとも言える米を愛した釜焚きおじさんこと滝上幸次郎の役が印象深いですよね。クセになっちゃいますよあれは。
あれを覚えてる方は、今回もかなり楽しめるはず…

売れっ子に拍車がかかっているまんぞうさんは、2018年度は
4月 劇団ボンボヤージュ!
7月 劇団どろんこプロレス
9月 劇団冷たいかぼちゃスープ
2月 劇団ボンボヤージュ!
と、春夏秋冬APOCシアター公演を続けていて、もはや劇場に住み込むオペラ座の怪人、いや、APOCシアターの怪人です。
今回の役柄もたぶん怪人っぽいことになるんじゃないかなーどうなんだろなー。

そんなまんぞうさんは、公演モラル委員会の委員長として、乱れに拍車がかかっているボンボヤージュの稽古場や飲みの場に秩序を取り戻させてくれます。
そのがんばりが全く響かないじゃるからは、日々稽古場で臀部を触られるなどのセクハラ行為を受けており、可愛がられています。

本人的には、お芝居の好みは専ら会話劇なので、歌ったりなんだりするボンボヤージュのスタイルは好みではないらしいです。
でも年末年始の宿題にしてた参考ミュージカル映画も歌に拒絶反応を示しながらも観てきたり、律儀でストイックなんです。
まぁあれだろ、結局じゃるのことが好きなんだろ。

でもなんか、百戦錬磨のまんぞうさんをもってしても、今回のボンボヤージュはかなり難しいことを要求されてると感じているようで、日々悩みながら試行錯誤しています。
まんぞうさんの苦悩の結果が舞台上でどう昇華されるのか、それはアポックシアターにきて体感していただければと思います!

byじゃる

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2019/02/02

役者紹介#5 北本あや

⚓︎役者紹介#5
北本あや

ハイセンスガール?
いいえ、ハイヒールおじさん。

じゃるが2017年・2018年と客演させていただいた劇団企てプロジェクト(現:かわさきシアターカンパニー)さんで共演したことがきっかけでお声がけしたのがあやさんでした。
力のある役者さんで、しっかりしてるなーとは思っていましたが、なんというかあやさんについては直感です。
ボンボヤージュ!に合うかどうかは未知数でしたが、なんか良い化学反応が起きるんじゃないかなぁと思って、怯えるあやさんにワークショップのお誘いをし、出演依頼をし、あれよこれよと今にいたります。

ほんとね、あやさんにお声がけしてよかったと思います。
本人的にはかなり無理のある日程で稽古参加してもらってるのにすごい出席率だし(稽古も飲みも)、大雑把なじゃるの性格を補完するかのように決めるべき事項をいろいろと確認入れてフォローしてくれるのでとても助かってます。

ボンボヤージュを気に入ってくれてるその姿にじゃるはニヤけが止まらないわけなのですが、自分の趣向を刺激する女性陣が座組内に多いことに対してあやさんはニヤけが止まらなくなってます。

そんな彼女の通り名は
「ハイヒールおじさん」

綺麗なお召し物で高いヒールを履いている可憐な外見に対して中身はおっさんということですね。

そんなおじさんは、今回の舞台では、結婚したい欲が高まっている30代前半の幸薄めな女性、『佐倉紅葉(さくらもみじ)』を演じます。
春なのか秋なのかようわからんその名前はどう生かされるのか。(あるいは特に関係ないのか)
誰もがうらやむとっておきのソロ曲がある、そんなあやさんの可憐な姿は、ぜひアポックシアターに足を運んでご確認ください。

byじゃる

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2019/01/28

初心者コラム#10「客席からの見え方」

ボンボヤージュのこーすけです。
今回が初舞台の劇団員・藤沢こーすけによる、初心者からみた演劇づくりの気づきを連載する「初心者コラム」第10回のテーマは、「客席からの見え方」です。

演じているつもり問題

演じる時はたいてい役者自身が何か意図を持って演技をしますが、それがお客さんに伝わっているかどうかは別問題です。自分では演じているつもりなのに、後で動画を見直してみたらイメージと全然違った、なんてこともあります。
自分がどんな表情をして、どんな演技をしているのか。演じている最中は自分の演技を客観的に見ることができませんから、自分の演じている"つもり"と実際の演技の差を埋めていかなければなりません。
特に私が感じることが多かったのが、「伝えてるつもりが伝わってない」「演じているつもりが演じられてない」というものです。演技は舞台上から客席に届けないといけませんから、普通に会話する相手に伝えるのではなく「どうしたら客席に伝えたいことを届けられるのか」を考える必要があります。
自分も、各シーンでどんな動きをしてどんな表情をするのか、そしてお客さんに何を届けたいのか、鏡を見たり動画を見たりしながら調整していこうと思います。